海津と同じに季節を過ごして二百余年になります。

宿場町として港が栄えていた頃から魚治は、鮒すしをはじめ、

季節に捕れるたくさんの湖魚たちを美味しく食していただこうと

お客様をお呼びしておりました。

六代目になり、京で学んだものをこの料理にとり入れようと、

はなれを近江懐石の庵としてはじめ、庵の名に、この北の湖を愛し

以前より足を運んで下さっていた、遠藤周作先生の狐狸庵というお名前から

「湖里庵」といただきました。

春、窓から見えるさくら色の大崎で。花吹雪のなか、尽きることのない桜のトンネル。

夏、ぎっしりと緑色のツタと対照的に涼しそうに波を立てる透明な湖。色づくツタと

暮れる日で、町も空気も朱色な秋の夕方。

凍る冬の湖で水浴びする水鳥たち。湖に降りる雪。

すべての季節の、すべての瞬間を大切に育ててゆきたいと思っております。


湖里庵









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